近年、日本の平均気温は高温の年が多くなっており、短時間の集中豪雨(豪雪)や高強度の台風が発生・接近するなどの異常気象が増えています。
こうした高温化の原因の一つが、二酸化炭素をはじめとする所謂「温室効果ガス」の急増にあるとされています。
ある哲学者はこの問題について、「自身の問題として受け止め、具体的な行動を起こせるかどうか」と警鐘を鳴らしてさえいます。
今こそ地球の市民として、環境破壊を止める具体的な行動こそが急務であります。
省資源・無公害処理により環境保全に貢献
これまで飲食物残渣をはじめとする有機性廃棄物の処理は、他の可燃ゴミと共に焼却処理されることが一般的でしたが、これらは水分を多く含有しているため焼却時に多量の化石燃料を消費し、さらに焼却温度の低下に伴って有毒物質であるダイオキシンが発生するという問題がありました。
そこで微生物を利用して有機物を二酸化炭素と水、無機物とに分解する処理方法が、省資源かつ無公害であり環境負荷の低減につながるとして、近年注目されるようになってきました。
「VAION」の構成
・処理装置
・菌床及びバクテリア(人畜無害):主に生物系バクテリア及び杉チップ
・回転に使用する電源(アンペアは使用目的物により調整)
・破砕装置:菌の働きの効率を上げる為に使用
・容量:廃棄物の形態及び量により調整
・菌床の量と廃棄物との比率:廃棄物の種類とその量により調整
・使用する菌の名称:プラチナバイオ KH
「VAION」の概要
処理装置は鉛直方向に回転軸を備えた器の中に有機性廃棄物と微生物を投入し、水平方向に回転して攪拌することにより、全体として極めて短時間で減容分解処理を促進します。
管理が容易な連続処理が可能であり、また処理装置の作用に加えて有機性廃棄物の組織を破壊する破砕機にかけることで、微生物の付着面積を大きくし分解処理を促進させます。
有機物が分解するための発酵は、まず糸状細菌による糖分・アミノ酸等の分解から始まります。
糸状細菌は自然界のどこにでも存在する真菌類で、増殖速度は速いものの呼吸熱を発生し40℃以上では分解能力が低下します。
このように温度が上昇してきた次の段階では、放線菌を中心とした高温菌が増殖します。
放線菌等の高温菌は高温に強く、糸状細菌では分解できなかったセルロースやセミセルロースを分解しますが、このときには呼吸熱だけでも60℃以上になります。
本実施形態では攪拌手段により空気を積極的に混入することにより、呼吸熱の発生を促進しさらに波動熱を生じさせるため極めて高温の状態を保つことができます。
高温状態を維持できるためダイオキシンなどの有毒物質が生成されることがなく、従来の焼却処理よりも安全な廃棄物処理が可能となるため、安全性が要求される食品加工工場や医療機関等における使用にも有利と言えます。
攪拌粉砕分解装置における発酵菌使用時の優位性
【他社製品との主な品目比較】
○:短時間で分解処理 △:少々時間がかかる処理 ×:分解できない